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ロミオと呼ばれたオオカミ

07 27, 2015 | Book

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2003年冬、アラスカ・ジュノーに突然現れた立派な体躯の黒いオオカミ。

餌をねだるでも求愛するでもなく、ただ犬と友達になりたかったとしか思えない「彼」は、いつでも超然として、人や犬の無礼で無謀なふるまいにも決して攻撃性を示さなかった。夢のような時間は一冬の気まぐれですらなく、次の年もその次の年も続く。だが存在が知れ渡り、ギャラリーが増えるにつれ、著者をはじめ本来の野生のオオカミを知る人たちが守ろうとしていた一線は霧消し、比較的リベラルなジュノーにも歴然とあった親オオカミvs反オオカミの対立が表面化する。

いくつかの事件が起き、静観を通してきた行政当局も対応を余儀なくされる。ロミオ自身にも老いの兆しがみえ、どんな形であれ「終わり」は見えはじめていた。それでも、こんな形しかなかったのか、と絶句するような最期には胸を締めつけられる。

ロミオは並外れたオオカミだった。ごくまれに現れても、普通はすぐに遺伝子プールから排除されてしまうような性質という意味では、異常だったというべきかもしれない。だが、のべ数千時間を人々の目の前で過ごしながらも、彼の生活は謎に満ちていた。他のオオカミとの交流はあった。群れの一員だったかもしれない。アルファとして子供がいた可能性すらある。そして、2頭の飼い犬を殺した可能性も。

ロミオとジュノーの人々との交流は、どちらにとってもあまりに危険と隣り合わせで、野生動物との共存の理想像とは程遠いだろう。それでも、野生のオオカミの平均寿命をはるかに越えて続いたのは事実だ。

ぼく自身の妄想でいえば、ロミオは自分の命をもって、人間がどれだけ寛容でいられるかをテストしていたような気がする。危ういながらも続いた平和の長さをもって合格というべきか、悲劇的な最期をもって落第というべきかはわからないが、確かにロミオは両極端のあいだのあらゆるバリエーションを引き出し、それをよく観察していた。
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