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アジアライオン-安住の地はどこに

04 08, 2010 | Articles

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ライオンといえばアフリカの動物の代表格ですが、実はアジアにも生息しています。
アジアライオンはアフリカライオンよりもやや小型で(とはいえメスでも100kgは超える)、おなかにひだがあるのが特徴。
アフリカライオンは多ければ30頭を超えるプライドを形成するのに対し、アジアライオンのプライドはずっと小さくオス1,2頭とメス2-4頭であり、普段はオスとメスが別々に行動するという、社会構造の違いもあります。


かつてはバルカン半島からインド西部まで生息していたアジアライオンは、19世紀のうちに狩猟によってインド各地から姿を消し、イランでも1940年代に絶滅。ついにはグジャラート州ギル国立公園周辺の個体群を残すのみになりました。


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国を挙げての保護キャンペーンにもかかわらず密猟による減少に歯止めがかからないベンガルトラとは対照的に、ギルのアジアライオンの個体数は保護下におかれて以降、順調に回復してきました。
1985年に235頭だったのが、95年には304頭、2005年には359頭。
しかし過密化という新たな問題が深刻化しつつあります。
過去3年間で死亡したライオンは100頭以上。2007年には6頭が密猟者に殺される事件があったものの、ほとんどの死因はライオン同士の闘争によるものでした。
個体数が飽和したギルから分散し、保護区外の農村地域になわばりを構えるライオンも90年代からみられるようになりました。現在では60頭以上が確認され、家畜や人への被害も報告されています。

個体数の一極集中は、伝染病による大量死のリスクが高い危険な状態。
実際、ライオンの高密度で生息するアフリカのンゴロンゴロクレーターでは、ハエが媒介する伝染病によって個体群が壊滅しかかったことがあります。
インド野生生物局は90年代から再導入候補地を検討し、3つの候補の中から最も条件のよかったマディヤプラデーシュ州クノ野生動物保護区を再導入先に選びました。
ギルとクノ保護区の直線距離は約800km。クノには4-5のプライドが生息するのに十分な環境があるとされています。
しかし、すでにコアエリアからの住民の移住も行われたにもかかわらず、再導入計画は先延ばしにされています。


大きな地図で見る


原因はグジャラート州がギルのライオンの搬出を拒んでいるため。
この件は現在インドの最高裁で争われているそうです。インドは連邦国家なので州の権限が強いのでしょう。
グジャラート州の主張は、クノの気候はライオンに適していない、トラが生息しており競合が生じる、マディヤプラデーシュ州はトラの保護に成功していないから能力不足だ、といったもの。
しかし本音は「世界で唯一のアジアライオン生息地」という観光の目玉を失いたくないからだろう、とインドのメディアは報じているようです。
クノ保護区はベンガルトラの生息地として有名なランタンボール国立公園からわずか50kmほど。トラもライオンも1ヶ所で見られるなら、ギルまで見に来る人はたしかに減ってしまうかもしれません。

様々な問題を抱えつつ、増えつつあるアジアライオンの5年ぶりの個体数調査が今月24日から始まります。
今回は400頭を超えるのではないかという予測もあります。
裁判の決着はいつなのか、ちょっとわかりませんが、寅年にインドのライオンたちの良いニュースを聞くことができるといいですね。

*日本では「インドライオン」の方が通りがいいですが、元の生息地はインドに限らず、英名もAsiatic Lionなのであえて「アジアライオン」で通しました。

参考サイト:
http://www.asiaticlion.org/
http://www.asiatic-lion.org/index.html
http://asiatic-lion.blogspot.com/

4月24-27日に行われたアジアライオンの個体数調査の結果が発表されました。
予測通り400頭を超え、411頭という総数であったことは、まずは喜ばしいことでしょう。
また個体数の性比がオス:メス=1:1.6であり、前回の1:1.2よりもメスに傾いたことで子殺しのリスクが下がったこと、未成熟個体が全体の40%を占めていたことは、これからの個体数増加を後押しするだろうと述べられています。
一方でギル保護区内の個体数の297頭は2005年調査の291頭からほとんど増えておらず、飽和が裏付けられることになりました。
グジャラート州の首相は相変わらず「MP州には一頭もやらん!」と言っているようですね。
詳しい数字は見やすい表がついたこちらの元記事でどうぞ。
http://asiatic-lion.blogspot.com/2010/05/roaring-success-lion-numbers-leap-in.html
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