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読書記録:2012下半期

12 28, 2012 | Book

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今回は読書メーターに書いた,tweetよりちょっと長めのが多いです.


バナナの世界史――歴史を変えた果物の数奇な運命
Banana RepublicといえばGAPの上位ラインとして、変な名前だなあと思ってたけど、バナナに経済を依存しアグリビジネスと米政府の意のままに政権をすげ替えられる中米諸国のことだった。チキータ、ドールで知られるそんなアグリビジネスの裏側と、病原体との闘いを中心とした、現在進行形のバナナのダークヒストリー。先進国には事実上1品種しか出回ってない今の状況は病原体にとても脆弱で、過去にも起きたようにいつ崩壊してもおかしくない。東南アジアで食べたバナナは甘みも酸味も強くておいしかったけど在来種だったのかな


親切な進化生物学者―― ジョージ・プライスと利他行動の対価
どん底ではなく、生活を立て直そうと努力し始めた矢先に自ら命を絶ってしまったというのがまた悲しいけれど多くの自殺者もそうだと言いますね。利他行動の進化の研究史とプライス本人の破天荒な人生の伝記が絡み合う構成は見事で、題材は違うけど『不死細胞ヒーラ』を思い出した


Bird Sense: What It's Like to Be a Bird
鳥の五感+磁気感覚、感情についてそれぞれ1章というわかりやすい構成で、かといって教科書的にもならず、研究史をなぞりつつ印象深い研究は詳しめに、自らのフィールドワークでのエピソードもふまえた楽しい読み物でした。もちろん鳥類界の変わり者たちも羽に毒をもつピトフーイ、特殊な生殖器をもつウシハタオリ、エコーロケーション能力をもつアブラヨタカなど多数紹介。邦訳の既刊がある著者だし、これも訳されるといいなあ。

<2013/3/12 追記>
...と思ってたら邦訳が出ましたね!
英語メディアでもかなり評判がよく、いろんなサイトで去年の科学書ベストセレクションに選ばれていました。
手に取りやすくなったということで改めておすすめします。

鳥たちの驚異的な感覚世界




コンゴ・ジャーニー〈上〉

コンゴ・ジャーニー〈下〉
テレ湖の恐竜モケレ・ムベンベを探せ!濃ゆすぎる登場人物と共に人の命が紙切れのよに軽いコンゴ奥地に分け入れば、恐怖と疲労と呪術的日常が理性を浸食しいつしか夢も幻覚も現実も一緒くた。紀行物苦手な自分にも面白すぎな怪作だった

新図説 動物の起源と進化―書きかえられた系統樹
子供の頃の動物図鑑とはがらっと変わっているいまの哺乳類の系統分類を知りたい方はどうぞ。機能的遺伝子を分析に使うと時として分子レベルの収斂進化があるので注意、高度に特殊化したグループほど形態から系統関係がわかりづらい、の2つをtake home messageとしました。細かいですが、食肉目のなかでネコ科の姉妹群にあたるリンサン科が省かれてるのが気になってしまう... 2種しかいないし蛇足だけど、ちゃんと複数の研究から支持されています


犬はあなたをこう見ている ---最新の動物行動学でわかる犬の心理
オオカミの生態に関する時代錯誤な知識と、犬の本質はオオカミだという誤解の二重の過ちがいかに犬の幸福を損ねているかを説くのにかなりの分量を割いてる。また擬人化に伴う犬の知的能力の過大評価も同じくらい有害とのこと。仔犬の社会化を扱う5章を読むと、生後45日とか56日とかいった基準は些細な話で結局ペットショップで買うのはきちんとした個人ブリーダーから買うのに遥かに劣るんだなとわかる。全体を通して、生物としての犬を科学的に理解することで家庭犬の幸福を増幅できるはずという姿勢が一貫していて安心感がある。


Rambunctious Garden: Saving Nature in a Post-Wild World
これは評価が難しい... 厳密な意味で「手つかずの、原始の」自然なんてどこにもないとか、保全にもコストや優先順位の意識が必要だとか、メタ個体群の維持のために混合利用地域の生物多様性を高めるべきとか、いいことも書いてるんだけど、「外来種=根絶すべき悪魔の申し子のように考えてる旧来の生態学者」のような藁人形論法、外来種の深刻な悪影響は島嶼部での捕食くらいといった誤解、コスト意識を説きつつ更新世パークやassisted migrationのような対極にある手法を好意的に紹介したりとルーズな部分の方が印象に残った


Dogs: Their Fossil Relatives and Evolutionary History
The Big Cats and Their Fossil Relativesとセットで食肉目好きなら英語読めなくても古生物よくわかんなくても持っといて損はなし。Antonさんの絵は本当に素晴らしいな!イヌ科は誕生からほとんどの期間にわたって北米にしかいなかったということで、異なる時代にHesperocyon亜科、Bolophagus亜科、イヌ亜科の順に多様化と純肉食化が起きたという大まかな進化史は上記のネコ本よりわかりやすい。


The Darwinian Tourist: Viewing the World Through Evolutionary Eyes
タイトル通り、旅先で出会う自然の光景を進化の視点で見てみようというコンセプトがまず魅力的。スラウェシの海でカラフルなコウイカとの遭遇から彼らとヒトの共通祖先がいた先カンブリア代に思いを馳せたり、マダガスカルの竹を食べるキツネザルに種分化のプロセスを垣間見たり、ヤップ島でダイビング中に起きた地震から地殻変動の生物分布への影響を考えたり。あまりトピックに深入りはせず、100枚以上添えられた著者自身による綺麗な写真を眺めつつまったり読める進化・生態学好きには嬉しい本でした


鳥 優美と神秘、鳥類の多様な形態と習性
鳥好き必携の「読む図鑑」。4章『世界の鳥類ー顔ぶれ紹介』は種名をぐぐりながら読むのをおすすめします。8章のコウウチョウーツリスドリーハリナシミツバチーウマバエの種間関係がめちゃくちゃおもしろい!


動物感覚―アニマル・マインドを読み解く
生態や系統進化を無視して動物を十把一絡げな書き方が多くて、ああやっぱり家畜を研究してる人だなあと思ってしまう。イヌの家畜化の年代に関してはこの本で引いてる研究以降も遺伝子解析技術が洗練され、数十万年といった初期の過大な推定値は修正されて考古学的証拠とかなり一致するようになってますね。


Avian Architecture: How Birds Design, Engineer, & Build
鳥の巣の図鑑は日本語でもいくつも出てるけど、この本は図鑑ではありません。鳥の巣を12のタイプに分けてタイプに共通する構造を解説したあと、その中で代表的、特徴的な何種かの例を関連する繁殖生態とともに紹介していく構成。文章と絵と写真のバランスがよく、レイアウトもすっきりしていてセンスを感じた。序文を書いていて本文中にもちょくちょく名前が出てくるマイク・ハンセルの「建築する動物たち」と併せて眺めるとより味わい深いかも。
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