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輝け!キンモグラ

02 05, 2012 | Articles

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モルフォ蝶,タマムシ,カワセミなど,メタリックで変幻自在の輝きをもつ生物は枚挙にいとまがありません.
かれらの輝きは特殊な色素ではなく,表面のナノレベルの微細な構造によって引き起こされるもので,構造色と呼ばれます.
今回紹介する研究で,昆虫や鳥や爬虫類に比べると地味ぃなものが多い哺乳類の世界にも,この構造色の輝きをもっている動物がいることがわかりました.
その名はキンモグラ.
地中でひっそりと暮らすかれらは,輝きを競ったりはしませんーキンモグラは盲目なんです.

Iridescent colour production in hairs of blind golden moles (Chrysochloridae)

こちらは紹介記事.
World's only iridescent mammal is a shiny accident

キンモグラはサハラ以南のアフリカに20種ほどが生息する地中性の哺乳類のグループ.かつてはモグラ,ハリネズミ,トガリネズミなどと同じ食虫目に分類されていましたが,分子系統学的手法による再分類の結果,現在ではテンレック・ポタモガーレと共にアフリカトガリネズミ目(テンレック目)におかれています.

ARKive photo - Juliana's golden-mole in habitat


※動画の後半までキンモグラは出てきません.

キンモグラの毛が紫や緑の輝きをもっていることは以前から知られていました.4種のキンモグラ(Amblysomus hottentotus, A. septentrionals, Chrysochloris asiatica, Eremitalpa granti)の上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の構造を電子顕微鏡で観察したところ,上毛は断面が○ではなくきしめん状につぶれていて反射面が大きくなっていること,キューティクルが小さくて開かずに非常になめらかに重なり合っていること(シャンプーのCMでいうと上毛が使用後,下毛が使用前のような感じ),さらにキューティクルのひとつひとつが6-19層の明るい色と暗い色の層からなっていることがわかりました.最後の層構造は甲虫の上翅にもみられるもので,直接的にはこれが特殊な反射を生み出しているものの,層の間の反射率の違いが小さいため,先の2つも構造色の輝きを生み出すのに重要な要因であると著者らは述べています.

それにしても,なぜキンモグラは構造色を手に入れたのでしょうか.
構造色でもそうでなくても,あざやかな色彩は性淘汰形質とされるのが普通ですが,盲目のキンモグラには明らかにこれはあてはまりません.
いちばんありそうな仮説として,著者らは地中生活への適応の副産物ではないかと推測しています.
砂や泥の中の移動は毛の表面を著しく摩耗させるので,耐久性を上げるための層構造が生まれ,それがたまたま構造色にちょうどいい数と厚さだった.毛の表面が平らでなめらかなのも,接触する砂や泥をできるだけ乱さない適応,という具合です.
これが本当なら,他の地中性の動物にも性淘汰によらない構造色があってもよさそうです.
シーボルトミミズなんかそうかも?あと,いわゆる潜り系スキンク(トカゲ)もつやつやしたのが多いですね.

にしても,輝きを与えられたのに永遠にそれを目にすることはないなんて,おとぎ話の悲劇のヒロインのようですね.

Snyder et al. (in press) Iridescent colour production in hairs of blind golden moles (Chrysochloridae). Biology Letters. doi:10.1098
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