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読書記録:2013上半期

07 18, 2013 | Book

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どうもおひさしぶりです.
台湾での狂犬病発見で『イタチアナグマ』の検索が激増したようで,普段の20倍くらいPVがあって驚きました.
にしても半年ごとの読書記録の間にひとつも記事なしは我ながらひどいですね...
フォッサの社会性のフォローアップ,ナマケモノの性生活,パスワードでヒナを守る鳥,アフリカの高山地帯のツンデレなネズミetc. いろいろネタ考えてはいたんですが.と,ここに晒して自分を追いつめておこう.
とりあえず今回は上半期読んだ生物本のまとめです.


ミトコンドリアが進化を決めた
進化生物学の本は読み慣れてるけどマクロな話がほとんどなので,いちばんベースになるミトコンドリアがエネルギーを生み出す生化学的メカニズムに関しての章はついてくのがちょっとしんどかった.とはいえそれを越えるとジェットコースター的な面白さで目ウロコだばー.メタン生成菌と細菌のたった一度の蜜月が体サイズとゲノムサイズを抑える足枷を外し,大型化,多細胞化,内温性といった複雑性への道筋をつけた一方で,2つの性とその対立,細胞や個体の死と老化をも運命づけた... まさに「この生命観には壮大なものがある」だなあ.



How and Why Species Multiply: The Radiation of Darwin's Finches
本文わずか167ページの薄さに,ガラパゴス諸島のフィンチ類に起きているリアルタイムの種分化に関する30年以上のフィールドワークの成果が凝縮されたすごく濃密で贅沢な本.『フィンチの嘴』で有名になった気候の年次変動と嘴の形態の関係については,形態を制御する遺伝子の胚発生中の発現時期が種によって異なるといったエボデボ研究,気候条件が同じでも島の種構成によっては嘴の形態への淘汰圧が逆向きになるといった群集生態学的研究など多方面に展開中.生殖隔離の重要な要素であるさえずりの種差・個体群差にも分量が割かれている.同所的分布のフィンチでは多くの種間に雑種がみられ,それによって系統関係にはいまだ未解決な部分もあるものの,じつはこうした雑種化が適応放散の初期段階では種分化に重要な役割を果たしているらしい.面積ー種数関係みたいなマクロ視点では見えない種分化の動的なプロセスの部分が学べます.



孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生
バッタの相変異の話に触れるのは小学生のときに昆虫図鑑で読んで以来.もっと固定的なものかと思ってたけど,実際には中間的な特徴の個体を含めたスペクトラムで,しかも成虫になってからもわずか2日の「混み合い」で卵のサイズを生み分けられたりかなり柔軟で迅速に環境変化に応答すると知って興味深かった.バッタのことなら何でも知りたいという(異常な?)愛情が多くの新たな発見に結びついているのがすごくいい.「泡説」をめぐっての大御所との論争も熱かった.



The Kingdom of Rarities
生態系はなぜ少数の普通種と多数の稀な種からなりたっているのか?という疑問を最初に提示しつつ,中身は研究者兼WWFの保全活動家である著者が世界各地の絶滅危惧種/絶滅危惧生態系の保全プロジェクトを訪ねる紀行文.ニューギニア島のフォジャ山脈での多数の新種の発見や,ベトナムのジャワサイの絶滅などごく最近の話題も多い.ただ,『ドードーの歌』や『翳りゆく楽園』のようにテーマのかぶる本をすでに読んでいたのであんまり目新しさはなかったかな.

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