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見えないネズミを捕れるわけ:キツネの磁気コンパス

01 22, 2011 | Articles

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今年は日本各地が大雪に見舞われていますね。
地面が雪に覆われては動物も餌探しに一苦労ですが、アカギツネにとっては日常茶飯事。
雪の下のネズミの位置を鋭敏な聴覚で正確に特定し、ハイジャンプからの急襲でネズミを捕らえます。
この行動、英語ではその名もズバリ"mousing"と呼ばれています。



実はこの狩り、成功の秘訣は聴覚に加えて地磁気という第六感を駆使することにあると、Biology Letters掲載の論文が報告しています。

こちらは紹介記事:Predation by foxes aided by Earth's magnetic field

ドイツとチェコの研究者たちは、チェコ国内の65カ所で84頭のキツネによる95回の狩りを観察し、ジャンプの直前の体の向きを調べました。
狩りはもちろん百発百中とはいかず、また一度の狩りで何匹もネズミを捕まえることもあったようで、全部で592回のジャンプを記録し、うち200回は成功(117回)/失敗(83回)が確認できました。

これらを分析した結果、まずキツネはネズミを北東方向にとらえてジャンプする傾向にあり、また北東向きにジャンプした場合の狩りの成功率が高いことがわかりました。
さらに著者らは植生が短くネズミが見えていたであろう場合と、雪や長い植生によってネズミが隠れていた場合とに分けて分析を行いました。

すると見えていた場合には成功したジャンプも失敗したジャンプも方角に差がなかったのに対し、隠れていた場合の成功したジャンプはおよそ3/4が真北から20°東を中心とする範囲に集中していたことがわかりました。
ネズミが隠れている場合、向いている方角による狩りの成功率には驚くほどはっきりした差がみられ、北~北東(340°-40°)方向へのジャンプは72.5%が成功、その真逆の160°-220°方向へのジャンプも60%が成功したのに対し、それ以外の方向へのジャンプは18%しかネズミを捕まえられないというものでした。
また、これらの結果は個体差、季節、風向き、天候、狩りの時間帯のどれからも説明のつかないものでした。

なぜキツネは北東向きにジャンプし、なぜ北東向きのジャンプは成功率が高いのでしょうか?
著者らはキツネが磁気感覚を距離計として利用し、音源定位の正確性を補強していると考えています。
磁気感覚はさまざまな動物で報告されており、とくに鳥については生理的メカニズムのレベルで研究が進んでいます(参考:渡り鳥は磁場が見える:青色光受容体と磁気の感知)。

地磁気がどのような形で視覚情報と組み合わさっているかはまだ不明であるものの、現行のモデルにもとづいて明るさのグラデーションのように知覚されると仮定したのが先の紹介記事にある図(論文ではSupplement)です。
一番「明るく」見える位置に音源が重なるように近づくことで、常に同じ距離に獲物をとらえた正確なジャンプが可能になる仕組みです。

地磁気を方角ではなく距離の知覚のために利用する動物はこれまで知られていませんでした。
鳥の研究と違い、純粋な行動観察から野心的な仮説を提示した面白い研究だなあと思います。
北海道などキツネが身近な方、コンパスを持って検証してみてはいかが?

参考文献
Cervený, J., Begall, S., Koubek, P., Nováková, P. and Burda, H. 2011. Directional preference may enhance hunting accuracy in foraging foxes. Biology Letters, in press.







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