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この泥棒鳥?!ミーアキャットを騙すクロオウチュウの声真似

11 10, 2010 | Articles

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インコや九官からモズやカラスまで、他種のや人間の音声を真似るはたくさん知られています。
しかし自分以外の種の声を出せることが何の役に立つのかははっきりせず、結局は学習能力が対象を間違って発揮されてしまっただけでは?と言われていました。
しかしアフリカ南部に住むクロオウチュウにとって、他種の声真似は大事な商売道具のようです。

BBC Earth News - Bird-mimics steal meerkats' food

クロオウチュウは基本的に単独またはペアで行動しますが、餌である虫やトカゲを探すときにはしばしばミーアキャットやシロハラヤブチメドリの群れについていきます。
この方法なら群れが草むらから追い立てた獲物を捕まえたり、あるいは獲物を横取りすることができます。
横取りのおよそ半分は直接攻撃による強奪。しかしもう半分では捕食者がいないのに警戒声をあげ、ミーアキャットやチメドリが逃げたところで舞い降りて獲物をさらっていくという、人の目からはずる賢い手を使います。

Wikipedia - Fork-tailed Drongo
Dicrurus_adsimilis2.jpg

オオカミ少年の童話が教えるように、普通このような騙しのテクニックは使いすぎると信用されなくなります。
ところがクロオウチュウは騙しの7割のケースでオウカンゲリやテリムク、さらにミーアキャットといった自分以外の種の警戒声を使うのです。
自分が鳴いているとバレなければずっと騙し続けることができるわけで、なんとも賢い戦略です。
ただしクロオウチュウがミーアキャットがどう思っているかを理解しているわけではなく、この戦略はさまざまな音声に対する反応を試行錯誤の中で見つけ出した結果と考えられています。というのは、どうやら本当に捕食者を発見したときにもクロオウチュウは声真似の警戒声を使うようなのです。

ではミーアキャットやシロハラヤブチメドリは一方的に搾取されるがままなのでしょうか?
空を飛べないミーアキャットにはクロオウチュウを追い払おうとしても時間と体力の無駄でしょう。
また集団全体で捕まえる獲物の量と比べれば1羽のクロオウチュウに盗まれる分などたかが知れているとも考えられます。
それにもしかしたら悪いことばかりではないかも、という研究もあります。
南アフリカの別の場所では、クロオウチュウはコビトマングースの群れについて餌をとります。
実はクロオウチュウが攻撃的なのは獲物の強奪の時だけではなく、捕食者である猛禽に対しても積極的にモビング(擬攻)を仕掛けて撃退しようとします。

A Fork-tailed Drongo mobbing a Steppe Eagle(ソウゲンワシにモビングするクロオウチュウ)

このためクロオウチュウがいると、コビトマングースは見張りの時間を減らして餌探しに専念することができるのです。

こうして考えてみると、クロオウチュウは泥棒と協力者の間という微妙な立ち位置にいるのかもしれません。
異種どうしの共同採餌もそのうち取り上げたいなあと思っています。

参考文献
Flower, T. 2010. Fork-tailed drongos use deceptive mimicked alarm calls to steal food. Proceedings of the Royal Society B, in press.
Sharpe, L. L., Joustra, A. S. andCherry, M. I. 2010. The presence of an avian co-forager reduces vigilance in a cooperative mammal. Biology Letters 6, 475-477.




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Not-so-easy Island Life (2)

10 03, 2010 | Articles

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シマハイイロギツネの個体群のうち、北のサンタクルス・サンミゲル・サンタローザのものがイヌワシの捕食により大打撃を受けたことは前の記事で書きました。
一方、時を同じくして南の島々でも別の原因による減少が起こっていました。

サンタカタリーナ島では98年にジステンパーが流行し、島の東側(面積の87%)の個体群は1/20にまで激減。
幸いにも市街地をはさんで島の西側の個体群には感染が広まらなかったものの、100頭あまりを残すのみになってしまいました。

サンクレメンテ島での減少速度は年4%というずっと低い数字であったものの、ここでも2000年の個体数は88年の半分に。
アメリカオオモズの地域個体群の減少要因としてキツネによる捕食が疑われ、殺処分を含む捕獲が行われたのがその原因と考えられています。
モズの育雛期だけキツネを飼育施設に隔離するという穏健な手法もとられていたものの、キツネも同時期に子育てをするため、結局は繁殖制限と同じ効果をもたらしたのでした。

こうして唯一サンニコラス島のシマハイイロギツネだけが減少を免れていたのが2000年前後の状況でした。

このままではほとんどの島での絶滅は避けられない、ということで野生生物局を中心とした保全活動が始まります。
サンクレメンテ島でのキツネの駆除は2003年に廃止。
サンタカタリーナ島では飼育下繁殖後、ワクチン接種を経て野生復帰が行われました。
北の3島の状況はずっと複雑でした。
必要なのは、イヌワシとそれを惹きつけるブタの両方を一掃すること。
しかしイヌワシはそれ自体がハクトウワシ・イヌワシ保護法という法律で守られています。
家畜被害のあった場合には殺処分も認められているものの、他の野生動物種の保護にまでそれが適用された例はなく、世論を考えても殺処分することは不可能でした。
では先にブタを根絶したらどうなるか?
個体群動態のシミュレーションの結果は、ブタが減るにつれイヌワシの獲物に占めるキツネの割合が増えキツネは絶滅する、というもの。
つまり手間と費用がかかろうともイヌワシを生け捕りにし移住させる他に方法はありませんでした。

1999年から2006年の間に44羽のイヌワシが罠やヘリコプターからのネットガンを用いて捕獲され、別の場所に移されました。
全ペアの移住の目処が立ったところでブタの駆除が開始され、サンタクルス島では1年余りという早さで5000頭を超えるブタが駆除されました。
また、かつてイヌワシの代わりに島にキツネと共存していたハクトウワシの再導入も2002年に行われ、定着に成功しています。
この間それぞれの島にはキツネの飼育施設が建設され、野生復帰をめざした飼育下繁殖が行われました。
そもそも順応性が高く人を恐れないこのキツネのこと、飼育下繁殖はめざましい成果をあげ、2007年にはいくつかの島で十分な個体数の増加があったとして早々に廃止されるほどでした。



まだ過去の個体数まで完全に回復したわけではないものの、こちらの2008年現在の報告などを見る限り、シマハイイロギツネが絶滅危惧種保全の劇的な成功例のひとつといって良さそうです。
それだけでなく、現在は(サンタカタリーナを除き)無人島である島々のたった一種の動物の保全の問題でありながら、自然に起こったかに見える減少に隠れた人為的原因、複数の絶滅危惧種の保全策の対立、複数の外来種を駆除する際の思わぬ落とし穴といった複雑な様相を呈し、生態系を管理することの難しさを教えてくれています。



参考文献・ウェブサイト
MacDonald, D. W. and Sillero-Zibiri, C. (eds.) 2010. Biology and Conservation of Wild Canids. Oxford University Press. London, UK.
Collins, P. W., Latta, B. C. and Roemer, G. 2009. Does the Order of Invasive Species Removal Matter? The Case of the Eagle and the Pig. PLoS One 4(9), 1-6.
Courchamp, F., Woodroffe, R. and Roemer, G. 2003. Removing Protected Populations to Save Endangered Species. Science 302, 1532.
Channel Islands National Park
Trouble in Paradise: California's Island Fox (Smithsonian Zoogoer)
Friends of the Island Fox










Not-so-easy Island Life (1)

09 30, 2010 | Articles

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カリフォルニアのサンタバーバラ~ロサンゼルス沖に8つの島からなるチャネル諸島があります。
8つの島のうち5島は国立公園に指定され、様々な固有の動植物の生息地、またカリフォルニアアシカやキタゾウアザラシなどの海獣、エトピリカやカッショクペリカンなどの海の繁殖地になっています。
気候が温暖でサーフィン、ダイビング、ホエールウォッチングなどを楽しめるリゾート地でもあり、住民は公園外のサンタカタリーナ島に4000人弱のみですが、年間およそ100万人の観光客が訪れています。

今回の主役は、そんなチャネル諸島の6島に住むシマハイイロギツネ。
北米本土のハイイロギツネに近縁ながらより小型で、体重は2kg前後。
灰色と赤褐色の鮮やかな毛色、アカギツネに比べて短い鼻先と四肢、黒い虹彩がかわいらしい印象を与える種です。
Urocyon_littoralis_full_figure.jpg
Island Fox - Wikipedia

超希少種:シマハイイロギツネ - ナショナルジオグラフィック

1990年代前半にはこのキツネが6島あわせて6400頭も生息していました。
一番大きなサンタクルス島の推定生息数は1300頭で、それより少し広い西表島に生息するイリオモテヤマネコは100頭未満ですから、かなりの生息密度です。

しかし90年代の半ばからキツネの数が急速に減少しはじめます。
北部の3島では、99年の時点でサンミゲル島・サンタローザ島にいた450頭と1500頭が野生絶滅。
サンタクルス島にいた1300頭は1/10の133頭にまで減少しました。
最初に疑われた原因は伝染病、特にイヌジステンパーでしたが、真相は全く違うものでした。
元々チャネル諸島に生息していなかったイヌワシが繁殖を始め、その捕食によってキツネが激減していたのです。
しかもイヌワシの定着には人為的影響が深くかかわっていました。

陸生哺乳類を主食とするイヌワシにとって、シマハイイロギツネとマダラスカンク以外に獲物がいないチャネル諸島は本来ならば繁殖地となりません。
定着が可能になったのは、かつて畜産家が放棄し、70年以上にわたって野生化していたブタのせいでした。
ブタは繁殖力が強く、ある程度の大きさになればイヌワシに襲われることはないため、捕食によって数を減らすことなく、結果的にイヌワシの定着を助けました。
加えてチャネル諸島にはもともとハクトウワシが生息しており、イヌワシの侵入を妨げていました。
主として魚食性のハクトウワシは、キツネを襲うこともあったものの、長きにわたり共存してきました。
しかし50年代、DDTの過剰使用の影響を受けたハクトウワシはチャネル諸島から姿を消します。
獲物が豊富になり、競争相手がいなくなったチャネル諸島はイヌワシにとっては楽園でした。
かくしてブタに比べ繁殖力が弱く、体が小さいためおとなも捕食されるシマハイイロギツネは、決してイヌワシの主食ではなかったにもかかわらず激減してしまったのです(続く)

参考文献・ウェブサイト
MacDonald, D. W. and Sillero-Zibiri, C. (eds.) 2010. Biology and Conservation of Wild Canids. Oxford University Press. London, UK.
Collins, P. W., Latta, B. C. and Roemer, G. 2009. Does the Order of Invasive Species Removal Matter? The Case of the Eagle and the Pig. PLos One 4(9), 1-6.
Channel Islands National Park
Trouble in Paradise: California's Island Fox (Smithsonian Zoogoer)




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