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フォッサの共同ハンティング

05 26, 2010 | Articles

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タイトルにもつけたことなので、当ブログはフォッサのことをしつこく(?)フォローしていくつもりですが
また面白い話をみつけました。
なんと単独性のフォッサが共同で狩りをするというのです。
An unusual case of cooperative hunting in a solitary carnivore

フォッサは純肉食性でキツネザルやテンレックを主食としており、特に大型種を好むといいます。
主に一頭でいるところが観察されるため単独性とされていますが、
キリンディ森林保護区では過去16年の間に複数のフォッサが共同で狩りをするところが5回目撃されているそう。
いずれも頭数は2頭で、構成はオス同士またはオスとメス。獲物はディアデムシファカまたはベローシファカ。
こうした報告を裏付ける事例として、50m四方ほどの範囲で樹上を逃げ回るベローシファカを、3頭のオスのフォッサが樹上と地上から45分間にわたって追い回し、ついには仕留めるまでの様子が記述されています。
(↓これは共同ハンティングではありませんが、イメージとして)


共同狩猟は社会性の結果あるいは社会性を形成した要因と考えられているので、単独生活種にみられるのはきわめて異例です。
なぜフォッサに共同狩猟がみられるのか?
敏捷なシファカを追跡して仕留めるには複数の方が効率がいい、というのがひとつの可能性です。
1頭では大きすぎて殺せない獲物を複数で狩る、ということも他の肉食獣ではありますが
これはフォッサの体重が10キロ前後、シファカは3キロ前後ということを考えると可能性は薄い。
しかし、2000-500年前まで生息していたMegaladapisやPalaeopropithecusといった巨大なキツネザルを獲物にしていたときの習性が残存しているとも考えられるといいます。
あるいは、フォッサのオスは繁殖期にメスを囲い込むための連合を作り、その副産物として共同で狩りも行うというチータのオスに似た生活をしている可能性も。
この場合、報告のあるオスとメスのペアは母親と子どもだと考えられます。

食肉目にはアナグマなど、採餌は単独だけど群はつくるという種は知られていましたが
フォッサは社会性と狩りの関係の再考を促す存在かもしれません。

参考文献
Lührs, M.-L. and Dammhahn, M. 2009. An unusual case of cooperative hunting in a solitary carnivore. Journal of Ethology 28, 379-383.





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フォッサが日本にやってきた!(2)発達と繁殖

03 26, 2010 | Articles

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上野で公開されたフォッサはオス1頭。メスも一緒に来日したものの、いまはケガの治療中だそうです。
はやく回復してペアで見られるといいですね。そしていずれはこんなかわいい仔フォッサも...


実はフォッサの発達と繁殖には他の哺乳類に例のない変わった特徴があります。

まず強烈なのが、思春期のメスがオス化すること。
具体的には陰核が大きく成長し、オスのペニスと同様にトゲや中の骨まで発達するというのです。
加えてオスに特有の分泌液による腹側の被毛の変色もみられるそうです。
同じようにメスの外性器がオス化する例はブチハイエナがよく知られているほか、モグラや一部の霊長類にもみられますが、フォッサが変わっているのはおとなのメスにはオス化がみられないこと。
フォッサの性成熟は飼育下で3-4歳ですが、オス化の傾向は2-3歳のメスに顕著だそうです。
男性ホルモン濃度が思春期のメスで高いということはなく、オス化の生化学的機序はよくわかっていません。
若いメスはオス化することによって、オスに無理矢理交尾させられるリスクをなくし、まわりのおとなメスとのなわばり争いも避けられるのではないか(フォッサはメスのなわばり意識が強く、オスはそうでもない)と言われています。

さらにフォッサは配偶システムも変わっています。
ふつう単独性の哺乳類のオスの繁殖戦略は、メスがなわばりを持つ場合(または生息密度が高い場合)はメスの発情期間中そのなわばりに留まるタイプ、メスが決まったなわばりを持たない場合(または生息密度が低い場合)はメスを求め広範囲を動き回るタイプに大別されます。しかしフォッサはそのどちらにも当てはまらないのです。

メスのフォッサの発情は年に数日で、この期間にメスは毎年決まった木を訪れ、そこに複数のオスがやってきて入れ替わりメスと交尾します。
フォッサはメスが決まったなわばりを持ち、生息密度は低いので前述の「滞在型」と「うろつき型」どちらもありうるのですが、この形式はどちらにもあてはまりません。オスによるメス防衛行動は短時間しかみられないので滞在型ではないし、メスの居場所が容易に予想できることからうろつき型でもない。
さらにはレックとも違っています。レックは鳥類によくみられる配偶システムで、オスが交尾の場所となる小さななわばりを守り求愛ディスプレイをしますが、フォッサでは場所を守っているのはメス。実際、この木は複数のメスが利用し、時期がかぶってしまうと激しく争って他のメスを追い出すのだそうです。
もちろんこんな独特の配偶システムを獲得したのにも特殊な進化的条件があったはず。
かっこよくてかわいくてミステリアスなフォッサの話でした。

参考文献
Hawkins, C. E., Dallas., J. F., Fowler, P. A., Woodroffe, R. and Racey, P. A. 2002. Transient Masculinization in the Fossa, Cryptopracta ferox (Carnivora, Viverridae). Biology of Reproduction 66, 610-615
Hawkins, C. E. and Racey, P. A. 2009. A Novel Mating System in a Solitary Carnivore: the Fossa. Journal of Zoology 277, 196-204




フォッサが日本にやってきた!(1)分類

03 25, 2010 | Articles

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2月13日、上野動物園で日本で初めてフォッサが公開されました。
謎の動物フォッサ、日本初公開!

僕が上野動物園で実習をしていた2年前から話は聞いていたし、マダガスカルの森ができたときからフォッサのイラストもあったので、いろいろ紆余曲折はあったのかもしれませんが、とにかく見られるようになってよかったです。
公開の翌週にさっそく見にいってきました。

IMG_2481-1.jpg
かわいい寝顔です。着いたのが昼過ぎだったこともあり、この手の動物は寝てばっかりかなと思ったのですが、実はフォッサは昼夜問わず活動する種。ちょうどエサの時間でもあったので、活発な姿を見せてくれました。

IMG_2537-2.jpg
ある種のシカのような錆色と灰色の混ざったような毛色。模様は一切なく、地味ながら艶やかで綺麗です。

IMG_2536-1.jpg
マングースの仲間の瞳孔は普通-型(ヤギと同じ)ですが、フォッサはシャープな猫目です。

IMG_2538-1.jpg
長くはないけれど逞しい足。爪は半分引っ込めることができます。

IMG_2530-3.jpg
「家政婦は見た」ごっこではなくて、おそらく脇の臭腺でマーキングをしているのでしょう。

ところで動物園の説明書きには、「ネコ目マダガスカルマングース科」とあります。
たいていの人は「ああマングース、ヘビを食べるあれの仲間なんだ」
ちょっと動物に詳しい人は「え?ジャコウネコ科じゃないの?」と思うでしょう。
従来マダガスカルの食肉目はフォッサがジャコウネコ科、ワオマングースやホソスジマングースがマングース科に分類されてきました。
しかし近年の分子生物学的手法による研究によって、これらは1800-2400万年前に分岐した単一系統であり、マングース科に近縁であるとわかったそうです。
これによりマダガスカルの食肉目はみなマダガスカルマングース科Eupleridaeに再分類する考え方が主流となりつつあるようです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Eupleridae

ややこしい話をもうひとつ。学名をFossa fossanaという動物がいますが、これはフォッサのことではなく、マダガスカルジャコウネコのこと。フォッサの学名はCryptoprocta feroxです。もちろんマダガスカルジャコウネコもマダガスカルマングース科で、ジャコウネコ科ではありません。うーん、和名をなんとかして欲しいですね。

ややこしくなってきたので、フォッサの独特の繁殖システムについては次の記事で紹介します。



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